カレル・チャペックは実に多彩な作家です。兄ヨゼフと共に新聞社に一生勤め上げたジャーナリストですが、それ以外にも戯曲、長編・短編の小説、童話、紀行文等など幅広いジャンルでたくさんの傑作を残しました。半世紀以上も前に書かれた最初のヒット作「R.U.Rロボット」は、現代の文明を予測し、警鐘するような内容であり、今では当たり前に使われているその”ロボット”という言葉はカレル・チャペックが作った造語なのです。
またカレル自身、本格的な園芸マニアであったことから生まれた「園芸家12ヶ月」は園芸を楽しむ人たちのバイブルとして、また園芸に興味のない人でもその極上のコメディを充分楽しめる作品として、今でも広く愛され続けています。ダーシェンカのいた庭も、彼の見事な手入れのお陰で、今でも見事に美しく、豊かな庭として受け継がれており、その一角にはかつてカレル・チャペックがしていたように"鳥のための水入れ"が今でも優しい光の中で置かれています。
どの作品からも彼の広い見識と豊かな表現力、非凡な観察力が伺い知れ、次々と生み出される作品の面白さで「カレル・チャペックの本がない家などない」と言われる程の人気作家であったカレル・チャペック。
彼の作品は、時を経た今も、そしてこれからも決して色褪せないでしょう。
原作「ダーシェンカ」はあのチェコの人気作家、カレル・チャペックが1933年に出版した作品です。
ある日チャペックさんの日常の中に、ダーシェンカが突然現れました。飼い犬のイリスに子犬が生まれたのです!片手に乗るぐらいのちいさなちいさな生命が、次第に一歩一歩歩きはじめ、鳴き声をあげ、そしてやんちゃに走り出します…。成長するにつれダーシェンカは、庭や家中のもを掘り返し、靴やズボン、ブラシを噛んでバラバラに…と、いたずら三昧。
でも、世の中全てに好奇心一杯に突撃していくダーシェンカの、生きる喜びを本能のままに発信する姿はチャペックさんにとって手放しにいとしい存在でした。そんなダーシェンカの様子を夢中で写真に撮りイラストに描きとめ、そしてあの「ダーシェンカ」が完成しました。
数あるカレル・チャペックの作品の中でも写真、装画も自ら手がけた唯一の作品なのです。